こんにちは。会社設立パートナーズ大阪の社会保険労務士 清田典章 です。
会社設立にあたり有益な情報等を、各専門家がご紹介してまいります。 本日は、社会保険労務士 が人事・労務の観点から有益な情報をお伝えさせて頂きます。
今回は、「秘密保持誓約書」についてお話させていただきます。
「秘密保持誓約書」とは、会社の秘密情報や、業務上知り得た個人情報などの秘密事項を外部へ漏らさないことを約束させるものです。
会社在職中はもちろん、退職後についても、秘密保持義務などを、約束させます。
内容は、主に次のような項目を定めるのが一般的です。
1.業務上知り得た技術・個人情報・サービス内容・管理方法・財務内容などの秘密事項を、如何なる方法をもってしても、開示、漏洩もしくは使用しないこと
2.秘密事項に関する書類、書簡、ノート、メモおよびデータ等、全ての資料に関し、許可なく使用・持出し・コピー・ダウンロードなど外部へ流出させるさまざまな行為をしないこと
3.秘密事項に関する資料等について、退職時には全て返納すること
4.退職後も上記の秘密事項を開示、漏洩もしくは使用しないこと
5.業務以外で会社のパソコンやメールを使用せず、会社の判断で、内容や履歴の閲覧、検査等を行うことに同意すること
6.退社後○年は、同一都道府県内で競合する企業に就職、又は役員に就任、起業(第三者をしても起業する場合も含む)しないこと
7.これらに違反した場合、会社が被った損害を賠償させる場合があること
この他にも、本誓約書提出以前に知り得た秘密事項についても同様であること、等を具体的に記載します。
「秘密保持誓約書」は、入社時の「誓約書」と同様、その内容が合理的で、法律上も適当な内容である限り、有効な「契約」となり、遵守を求められます。違反した場合、その内容により損害賠償などを求められることがあり、トラブル等で裁判になったときにも、証拠になりえます。
ただし、退職後の競業禁止義務については、従業員に職業選択の自由があることから、競業禁止義務期間が2年を超えている場合や、職業選択の自由を阻害するような、広い範囲の地理的制限をかけたりすること等、あまりに過大な義務を負わせるような内容は、無効とされる場合がありますので注意が必要です。
また、「秘密事項」について、営業上の秘密として「不正競争防止法」の保護を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
1.企業の「秘密事項」として管理されていること。
2.生産方法、その他技術等について、客観的に見て、有用な技術上、又は営業上の情報であること。
3.保有者(責任者)の管理下以外では、一般的に入手することができない状態にあること。(公然と知られていないこと)
さらに、これらの管理について、就業規則などに規程し、従業員に周知していることも必要です。
つまり、きちんと「秘密事項」として管理できていない状況では、「秘密事項」と認められない可能性があるので注意が必要です。
在職中、退職後、どちらの場合も、秘密保持誓約書の内容は、就業規則にも定めておき、遵守を促すと同時に、違反した場合は制裁の対象となることを記載しておく必要があります。
次回は、「身元保証書」についてお話させていただきます。
「身元保証書」とは、従業員が故意又は重大な過失によって会社に損害を与えた場合に、身元保証人が、その者に代わって損害を賠償することを保証(約束)するための書類です。
ぜひ業務にお役立て下さい。
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